言葉のこと

言葉を教えたり小説を載せたり。

小説「統合失調症発症物語」完

小説「統合失調症発症物語 」   第八話「親と僕」 最終話

清美さんは原稿用紙に文章を書いた。 「救急車のサイレンが聞こえてどうしたの?」 「救急車のサイレンが聞こえて」 僕はベッドで寝ていたことに気がついた。 両手両足が動かない。 何かに縛られているようだ。 顔を右に傾けると壁に張り紙があった。 「措置…

小説「統合失調症発症物語 」  第七話「亀沢課長と僕」

「警察に囲まれたとき?」 清美さんは折り紙を折る手を止めた。 「はい。続きをまた明日話します。」 僕は消灯時間になったので清美さんと別れて部屋に戻った。 僕はレポート用紙を見た。 最後の一行が目に入る。 朝になり目が覚めた。 顔を洗い、身支度をし…

小説「統合失調症発症物語 」  第六話「山内先生と僕」

「先生の回診があるから一度離れるわね。」 清美さんは席を離れた。 「すみません。僕も先生と話してきます。」 順哉が席を離れた。 星田さんも秋乃さんもいっさんも席を離れた。 「あとで続きを聞かせてよ。」 秋乃さんが手を振った。 僕は食堂に一人でいた…

小説「統合失調症発症物語 」  第五話「樹さんと僕」

「他の宗教ですが。」 星田さんが目を開いた。 「バベルの塔に似ています。」 「バベルの塔?」 僕は星田さんに聞いた。 「昔、神に近づこうとした人々が塔を作りました。しかし、神によって人々は言葉を乱されました。結果、塔は崩れ、人々はまた地面で生活…

小説「統合失調症発症物語 」   第四話「星田さんと僕」

若い看護師が来た。 「朝の検診をします。」 僕は話しを中断し、体温計を脇に挟む。 「お話の邪魔をしてすみません。」 僕は看護師に血圧を計ってもらい、薬を飲んだ。 背の高い男性が僕に近づいた。 「あなたはアル教の信者ですか?」 廊下のつきあたりで座…

小説「統合失調症発症物語 」   第三話「秋乃さんと僕」

順哉は湯飲みに入ったお茶を両手で飲んだ。 清美さんは姿勢を正した。 「病気の症状が出たのね。」 僕はレポート用紙を手に持った。 「何をやってるの?」 体格のがっしりした男性が向かいの椅子に座った。 「秋乃さんおはよう。」 清美さんが答えた。 「彼…

小説「統合失調症発症物語 」   第二話「順哉と僕」

翌日の朝になった。 僕は朝食を食べに食堂に向かった。 閉鎖病棟の中は廊下が十字に延びている。 食堂は十字の中央にある。 朝食はワゴンで運ばれる。 看護師に名前を呼ばれ、朝食を受けとる。 おかずは焼き鮭と目玉焼きと味噌汁だ。 僕はトレーを持ち、ピン…

小説「統合失調症発症物語」  第一話「清美さんと僕」

小説案内人・モリタン 「物語の主人公は遥か昔から同じ過ちを犯してきたようです。 今回の主人公も同じ過ちを犯しました。 物語の中では手を変え品を変え、同じ題材が描かれます。 主人公の過ちとはなんなのか? おや、主人公の話しが始まったようです。」 …