言葉の先と後を入れ替えると事実が浮かび上がるということ
前回、言葉の先と後はしばし入れ替わると書きました。
このことは事実を理解するのにも役に立ちます。
例えば、統合失調症を解説した本にこんな文が書いてあります。
薬を飲むのを怠ると統合失調症が再発します。
この文から事実を導いてみたいと思います。
この文は、
1.薬を飲むのを怠る。
と、
2.すると統合失調症が再発する。
の2つの文節に分解できます。
この2つの文節を入れ替えてみます。
・
・
・
統合失調症が再発すると薬を飲むのを怠ります。
どうして怠るのでしょうか?
この語順だと、
薬を飲むのを怠る理由は、統合失調症が再発したから。
となります。
統合失調症が発症したから薬を飲むのを怠るのです。
つまり、この語順だと、
・統合失調症になる人はもともと、怠らず、頑張りすぎだということ。
・統合失調症になって初めて薬を飲むのを怠ること。
・統合失調症にならないと薬を飲むのさえ怠らないこと。
が浮かび上がります。
だから、この語順だと、
事実は、統合失調症になる人はもともと、怠らず、頑張りすぎだということ。
が浮かび上がります。
では、
統合失調症になる人はもともと、怠らず、頑張りすぎだということ。
は事実なのでしょうか?
つまり、
統合失調症になる人はもともと、頑張りすぎず、怠っているということ
はないのでしょうか?
統合失調症になる人はもともと、頑張りすぎず、怠っているのだとしたら、
もともと頑張りすぎず、怠っている人が病気になって、いつも通りに怠っているのだとしたら、これはいつも通りなので病気ではありません。
もともと怠らず、頑張りすぎている人が病気になって、怠るのだとしたら、これはいつもと違うので病気なのです。
だから、
統合失調症になる人はもともと、怠らず、頑張りすぎだということ。
が言えます。
これが事実です。
明読斎