———本記事は、
『ママとパパのはじめてのおはなしづくり講座』ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル 2015年04月11日 RHYMESTER宇多丸のタマフル TBSラジオ Podcast -
を僕の独自の言葉でまとめた記事です。———
僕が物語を作る際に参考にしたラジオ講座を紹介しました。
この講座で喋っている方はスクリプトドクターという日本では珍しい職業の三宅隆太さんです。
スクリプトドクターの三宅隆太さんがラジオキャスターに物語の作り方を紹介するラジオ講座です。
この講座は物語の作り方のみならず、僕らの性格の分析にもなると思いました。
三宅隆太さんの語る、物語を作るうえで大切だと思ったところを抜き出しました。
まとめるにあたり、僕の視点を交えています。
物語を作るうえで大切だと思ったところはこちら。↓
要点
・物語は、大体主人公が何かを手に入れる話。
・作り手の信条/心情が入った物語の方が信じられる物語になる。
・最初はざっくり目に作ると良い。
・葛藤や衝突があると物語が盛り上がる。
・主人公が破るべき殻が重要。
・物語の考え方にはコツや方法がある。
物語の考え方のコツや方法
・物語は主人公が変化や成長する姿を描く。
・弱点がある主人公は魅力的になる。ーウルトラマンのカラータイマー
・作り手は主人公が嫌がることをどんどんやる、または主人公の好きなものを否定すると主人公が立ち上がり、物語が前へ進む。
・主人公を甘やかすと主人公が作り手に依存して、物語が面白くならない。
・主人公が何をしようとする物語か?を考えると団子に串を通すように物語の軌道を掴みやすくなる。
・恋愛の成就のようなよくある物語にしても主人公がどういう性格かによって物語の意味が変わる。
・物語を通して読み手に伝えたいことは、物語を書いていくうちに後から気づくこともあるし、先に考えておくことで道筋が立ちやすくなることもある。
・物語を通して読み手に伝えたいことをどう描くかに関しては、後からでも考えることができる。
・あらすじのコツは、主人公が日常から始まって、あるきっかけとなる出来事があり、非日常の体験をすることによって新たな日常に戻る。と考えると発想しやすくなる。あらすじは旅のようなもの。
・物語を作るときはクライマックスから考える方が掛け算的な化学変化を生んでうまくいきやすい。
・物語のクライマックスは、例えば主人公が嫌いなものや弱点を克服するというような主人公にとっての最大の葛藤が解消されるか、されないかの話と考えると発想しやすくなる。
・クライマックスの対になるような、物語のきっかけとなる出来事を例えるなら、映画リングの場合は見ると7日後に死んでしまう呪いのビデオを見てしまうことであり、クライマックスはビデオの呪いを解くこと。バックトゥザフューチャーの場合は、きっかけとなる出来事は過去に行くことであり、クライマックスは現代に帰ること。
・物語のきっかけとなる出来事は日常から非日常に移るターニングポイント。
・物語はアイデアに対して反対のアイデアをぶつけていくと劇的になる。
主人公が破るべき殻
・物語は主人公が殻を破るものを描く。
・主人公が作り手が用意したストーリーに乗っかっていくよりも、主人公自身が自発的な行動に出る瞬間が主人公が殻を破る瞬間。
・僕らの性格の仕組みについて理解すると、主人公が殻を破る瞬間を発想しやすくなる。
僕らの性格の仕組み〜カウンセリングを物語作りへ活かす〜
・主人公の性格を変えることは可能か?
→僕らの性格はそう簡単に変えられない。だって生まれつきのものだから!
→そんなことはない。例えばオギャーと生まれた瞬間に「公徳心のない親は嫌いです。」と言う子供はいない。
→だから性格は生活していく中で作られるもの。
→いくつもの思考のパターン認識が性格。
→思考のパターン認識を全体的に性格と呼ぶ。
→思考が癖になることがある。
→思考の癖はある順番をたどって流れていくもの。
思考の癖の順番
道を歩いている。
道の向こうから犬を連れた誰かが散歩してくる。
子供の頃に犬に噛まれたことがあるとする。
記憶と経験で犬は怖いというトラウマが作られる。
トラウマのせいで、あの犬はまた噛むんじゃないかと思う。
身体反応と感情で手が汗でびっしょりになり、動悸がする。
まっすぐ駅に向かわなきゃいけないのに、犬がいるから急遽横の道に曲がって遠回りする。
遠回りをする行動が、犬は怖いというトラウマをまた強化する。
⇨子供の頃に噛んだ犬と、今目の前を歩いてきた犬は全然関係がないのに犬は怖いというトラウマが強化されてしまう。
思考の癖は元々は僕らが自分を守るために作ったもの。
思考の癖で助かった場面もたくさんあったが、犬から学び、成長する機会を逸している。
⇨苦手意識や思い込みや決めつけは、思考の癖を作る。思考の癖を何度も繰り返すと、それが頑丈な殻になる。頑丈な殻になると学び成長する機会を逸する。
・物語作りのときに、クライマックスの前に主人公が殻を破る行為をやると良い。
・何故なら行動は変えられるから。
まっすぐ駅に向かわなきゃいけないのに、犬がいるから急遽横の道に曲がって遠回りする。
⇨いや、あの犬は前の犬とは違うかもしれない。今ここで遠回りすると仕事に間に合わなくなってしまう。よし、まっすぐ歩いてみよう。
⇨まっすぐ歩いた行動によって、犬が可愛く近寄るという過去とは違う結果を生むこともありえる。
⇨可愛く近寄る犬もいるということを学ぶ。
⇨主人公に頑張っていつもと違う行動を起こすことをやらせる。その行動を起こすことをやらせると主人公の殻が破れて、可愛く近寄る犬もいるということを学び、成長する。
ドラえもんの名作回
ドラえもんが安心して未来に帰れる。
のび太が殻を破る。
主人公の殻を破る物語を物語作りに応用するときに注意すること
ドラえもんが未来に帰っちゃうから。
・なんで横の道に曲がらずにまっすぐ駅に向かえたのか?
あの犬は前の犬とは違うかもしれないと思ったから。
行動をとるべきか?今まで通りのパターンに陥るべきか?
主人公が殻を破るには天秤にかけるものが必要。
天秤にかけるもの
行動するリスクと、リスクを背負ってでも克服したい弱点の両方を主人公に与える。
行動をとるべきか?今まで通りのパターンに陥るべきか?どちらにしますか?に対して、行動を選択する瞬間が、クライマックスにつながる。
→主人公が行動を選択をせざるをえないように、主人公と反対の価値観のもので主人公を追い込む必要がある。
現在の主人公
僕らがものを嫌いになるには理由がある。
僕らがものを嫌いになる理由は過去にある。
・過去は二種類ある
-現在の主人公の殻を作らない清算された過去 ー>すでに学び終わった過去。
-現在の主人公の殻を作る未清算の過去 ー>学ぶ過去。苦手意識、思い込みや決めつけ→>殻を学ぶ。ー>主人公が成長する。
主人公が苦手意識や思い込みや決めつけから、殻を学び成長する。
敵対者と協力者
・敵対者と協力者を作ると主人公が殻を破る前に物語に波ができる。
主人公と大切にしているものが違う、反対の性格の誰かを敵対者とする。
優柔不断の主人公⇨即断即決の敵対者
主人公と大切にしているものが似た、近い性格の誰かを協力者とする。
優柔不断の主人公⇨優柔不断の協力者
力技で無理して物語を動かしていくというより、主人公が自然に物語を呼び込んでいく。
主人公のことを知ることによって物語が見える。
物語作りはこうすれば正しいというより、作り手の感情や気づきが宝物。
おはなしづくりラジオ講座のまとめをお読みくださりありがとうございました。