言葉の問題

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映画と言葉「マルサの女」伊丹十三

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ところで、四コマ漫画に加えて、

昔アップした映画の言葉にスポットを当てた、

「映画と言葉」という記事をまた少しずつアップしようと思います。

 

今回は「マルサの女」です。

 

マルサの女」は伊丹十三監督の作品です。

 

査察官になった主人公が脱税犯を追い詰める映画です。

 

以前は感じなかったのですが、今見ると脱税犯役の山崎努がめちゃくちゃかっこよく感じました。

 

どうして格好良く感じるのかと考えると、

 

脱税は悪いことです。

 

ですが、脱税犯が一人で身を立てようとしているところが、

 

僕の理想の姿に見えたのです。

 

そんな脱税犯の有名な言葉に以下の言葉があります。

 

「金、貯めようと思ったらね、花村さん。使わない事だよ。あんた、葬式がありゃ1万、結婚式がありゃ2万と出すでしょ?そんなもの出してたら金は残らない。百万あったって使えば残らない。10万しかなくても使わなければまるまる10万残るんだからね。あんた今、ぽたぽたと落ちて来る水の下にコップを置いて水を貯めてるとするわね。あんた、喉が渇いたからってまだ半分しか貯まってないのに飲んじゃうだろ。これ最低だね。並々いっぱいになるのを待って、それでも飲んじゃだめだよ。いっぱいになってあふれ出て…たれてくるやつ、これを舐めてる。」 

 

これはお金の哲学です。

 

この言葉は昔聞いて、頭の片隅にありました。

今聞いてもとてもしびれます。

 

ですが、僕が今回注目したい言葉は脱税犯が最後に残したこちらの言葉です。

 

あそこの芝生で子供が遊んでいるだろう。

ああいうのを眺めていると、俺は、こころが掻きむしられるような気がする。

幸せが、手からすり抜けていくような気がするんだ。

 

脱税犯が脱税を犯した動機に通じる言葉です。 

脱税犯がどうして脱税犯なのか?

僕はこの言葉がその答えだと思います。

脱税と言えば、儲けたお金を税金として収めないことです。

この脱税犯は手からすり抜けていく幸せをためたくて

脱税をしたんだと告白します。

 

この脱税犯は犯罪を犯したくて脱税をしたのではありません。

この脱税犯は幸せをためたくて脱税をしたのです。

 

脱税をした動機は脱税犯の心にあったというところが、

今回見返して、なるほどなと思いました。

 

だからこの脱税犯には本当は脱税ではない、

別の幸せを得る方法があったような気がしてなりません。

 

僕はこの言葉で脱税犯の心が一気に透けました。

この言葉は映画が一層深く感じられる好きな言葉です。

 

この脱税犯によれば、

幸せは芝生で遊ぶ子供のように一瞬のうちに手からすり抜けていくとのことです。

だからこの脱税犯は幸せを手の内にとどめておきたかったのです。

 

じゃぁ、一生続く幸せとはどんな幸せでしょうか?

脱税でしょうか?

それとも・・?

 

お読みくださりありがとうございました。

 

次回は同じ伊丹十三監督の「スーパーの女」を予定しています。

 

明読斎

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