①精神病といじめと心霊現象
本:いきなり三つ並べるのもなんだけれど、この三つて直接だったり、微妙だったりケースバイバースなんだけれども、やっぱり近い場所にいると思いませんか?
明:近い場所というかは、いじめがきっかけで精神病になるとか、精神病の症状を本人は心霊現象だと思っているケースがあるとは思いますね。
本:まぁ、そうだよね。 僕は経験的にこれらはそういう意味で親類関係のように思ってますね。
精神的に健全な霊能力者さんやいじめ被害者の方、すみません。
明:これまでの流れからすると、この章のケースの方は、いじめ被害者で、霊障にあっていて、精神疾患になってしまった方が、行方不明になったんですか?
本:見事なまとめだよね。まさしくそういう話です。
明:内輪ホメかもしれませんが、本さんの道場、なんかすごいですね。
新極真会の道場ってどこもそうなんですか?
本:いや、ウチは特殊だと思うよ。
僕はね、心の悩みによる自殺者が多いこの時代に、その状況を打破するというか、その状況に抵抗する力になる道場をやりたくて、結果としてこうなってるんだけど、まぁ、一般のカラテファンが心をなぐさめるために集まる場所でないのはたしかかな。
明:カラテファンに厳しい男、本気で本!
本:僕は、自分も含めて、フルコンタクトカラテ愛好者って精神的に幼稚な人が多いと思う。
これまで出会ってきた前後左右、上下の人たちをすべて含めてね。
だからくだらない問題もよく起こすし、互いにけなしあってばかりいるしで。
実際、家族の目が厳しい、友達もわかってくれないって、自分のさみしさを埋めるために人を叩いたり蹴ったりするのはせいぜい10代、よくて20代まででしょ。
ただ、これはあくまで僕個人の意見ですよ。
例えば、AV女優でも、神だ天使だってあがめるファンもいれば、ちょっとね・・・と眉をひそめる方も大勢いるわけで、フルコンタクト空手家もそれと同じだと思うよ。
たまたま僕は厳しめの意見を持つ同業者というだけです。はい。
明:厳しいですね。誤解を恐れず言えば、そういうことしたい人が集まる場所が空手道場かと思ってましたよ。
本:社会全体が暴力を排除しようとしてるのに、いいトシしていつまでもそこにアイデンティティを求めるのは僕は、違うと思うね。
知能遅延や発育不全じゃないんだからさ。 まぁ、中高年でも自分をいじめたくて、心身共に痛いめにあいたくて、道場にきてる人もいるだろうけど、それもねぇ、単なる暴力好きというか、なんだかソフト&ハードSMクラブ通いみたいだからさ。ちょっと・・・
くどいですが、これはあくまで僕個人の意見ですよ。
明:本さんの道場の印象がまるで逆になりました。
ところで、自分と同じフルコンタクト空手愛好者に厳しい本さんは、なんのために道場やってるんです。
本:僕が道場を運営することで、フルコンが心の問題だったり、普通に生活する現代人の役に立つと思っているからだよ。
明:なのに周囲は死んでゆく、と。ミステリー小説のプロットみたいですね。
本:僕自身、どんなにこの人、バカだと思っても、死ねと言ったことも、死んでくれと願ったこともございません。
生きていれば、誰でもなにかの役にはたちます。で、今回の章の彼もまた前章の人と同じで、僕の同級生で幼少の頃から知り合いだった。
この彼の場合、僕が話せなくなった中学の時も家まで会いにきてくれるような情の厚い人だった。
明:この人も最後には。と思うとこれ以上、話を聞きたくないよう気持ちになりますね。
本:うん。だけどね、前章の彼も今回の彼も、彼らの人生をこうして形にすることで、他の人の役に立つかもしれない面があるよね。
明:友への鎮魂ですか、本さん、前向きですね。
ここで僕の考えを少しだけ話させてください。
前章の終わりでも少し書きましたけど、亡くなった人から学ぶことってやっぱり大きいと僕個人は思います。
どう亡くなったかというのは、どう生きたかということなわけですから。
ですから今回もその方の話から極力、どう生きたか、ひいては僕たちがどう生きるかというところまで話を(例え少しだったとしても)すくい取りたいと考えます。
ちなみに本さんはどうしてそこまで前向きなんですか?
本:親子の愛にしても、ごく普通の人間の営みはなんでも、世界は不思議に満ちていて、それを眺めるために生きてるつもりだからかな。
本書を書いてるきっかけは、死んだり、いなくなったりすると人って忘れられてしまうよね。
それは仕方のないことだけれども、友達として、彼らの人生をどこかに残しておきたくてね。
明:僕は巻き込まれてるんですか?
本:明さんと僕が死んでも、これは誰かの記憶に残る!
明:本気で本、遺言作成プロジェクトですか。僕がかわいそうです。
でも、実際Amazonの電子書籍には僕たちが死んでもずっと本が残るというすごい可能性を感じているんですよね。
本:友よ。一緒に歩もう!
明:え?死への旅路ですか、えらい人と知り合ってしまいました… …。
本:明さんのこの優しさは読者の人に伝わるよ。
明:本さんの危険さもきっと伝わります。
本:さて、本題に戻ると、まず、いじめだよね。 明さん、いじめの経験はありますか?
明:まさにいま、あっているんですけど。
本:えっ。どこで?
明:(どう見ても、本気で聞いてる。この人、わかってない……)わからなければいいです。 はい。で、今回の人はいじめにあったんですか?
本:うん。あくまで本人談になるんだけど、本人は明らかにそう思い込んでいた。
明:思い込んでいた?いじめは本人の受け取り方で、傷がどんどん深くなったりしますよね。
本:まさにそのケースだったと思う。
明:本さん、まさか?
本:違うよ。これは、僕が彼からそのいじめの相談を受けることから始まる話なんだ。
明:「本、いじめはやめてくれ!」って頼まれたんですね。
本:違うって!話は彼の高校時代から始まるんだ。
明:現在まで続く長い長いいじめの物語ですね。
①精神病といじめと心霊現象 後半へと続く