① 二、三章の二人以降の湖西豊田道場は・・・新居町体育協会空手部から新極真会へ。後編へと続く
明:それこそ、妹さんのこと以外にも本さんみたいにいろいろ身の危険を感じる経験をしてると、精神疾患の患者が怖くなりませんか?
本:怖いというよりも、興味がでるね。なんなんだろう、これは? って。
明:もしかして、中二病+鈍感力で、おもしろがってるんですか?
本:いやいや。そりゃ、自分や周囲、患者本人が大ケガや死んだりするのを目前で見るのは、その瞬間は、うわぁーって思うよ。現実的にその場で対処しないといけないし。
でも、結局、これって病気じゃん。風邪引きさんの咳がひどいとか、飲みすぎの人が路上でゲーゲー吐いてるのと同じ感覚で、僕は受け止めてる。
明:自分が血まみれにされてもOKなんですね。
本:結果として、そうなったことはあるけど、OKと言ってしまうとそこに付け込んでとことん甘えてくるやつがいるんで、それは困るけど、基本、仕方ないかなと思うな。痛いもんは痛いけどね。
明:本さんはそれでいいですけど、多くの人の場合は、そうしたトラブルを怖がるんですよね。その気持ちもわかります。
本:ま、でもって彼らはそれぞれのスポーツで県や全国の大会にでる実績もあったし、毎日!の練習で、当時は肉体的コンデションもよかったので、生徒に空手を指導したり、試合に出たりして、そして普通に就職して道場にこれなくなっていった。
平日の昼間に週3日、1回3時間とかやってたからね。価格も安いし、託児所代わりに使う親御さんもいたよね。
明:空手道場が託児所代わり?
本:うん。子供を安価で預かって欲しいっていう欲望だけが突出した感じだよね。
明:それでもOKだったんですか?
本:僕も驚いたけど、周囲の他の保護者さんにも避難されたりしてみたいだね。
ただ、そういう親の子供に生まれたのもその子の運命なので、他の子よりも迎えにくるのが遅かったりしたけど、その孤独を受け止めて生きてくれ!としか本人には言いようがなかったな。
当然、ケガもするし、時には暴力による大ケガもありえる。道場ってひらたく言えば、暴力場でもあるわけで、僕はできるだけそれを避ける道場運営をしている派だと思うけど、それでも、それを念頭に入れて通って欲しいし、通わせて欲しいですね。
本:僕も驚いたけど、周囲の他の保護者さんにも避難されたりしてみたいだね。
明:それって、甘い考えできて大ケガしても知らんぞ!的な。
本:フルコンタクト空手の経営者はみなさん、そうしたトラブルで訴えられたり、逮捕されるリスクは承知の上でやってると思いますよ。
現実として暴力で商売してるわけだから。だから、利用者(道場生)もその被害者になるリスクを考えておいて欲しいです。
頭蓋骨折して、脳に異常がでて、障害者になったら、例え、そこの道場主が監督責任で逮捕されたとしても、キミのその障害は一生治らないよ、と。
子供でも、青年でも、壮年、高齢でも、それくらいの事故はいつでも起こりうるのが、空手道場って場所です。やることは暴力場ですので。
殺人や暴行罪その他で刑務所行った後、戻ってきてまた道場やってる人間が平気でいるのが空手の世界ですよ。
明:本さん……
本:刑務所は行ったことないよ。
明:執行猶予は。
本:それもないです。
明:犯行の動機は?そのときのアリバイは?使った凶器は?
本:してないって!話を戻すと、前の章の2人が去っても僕は道場を続けた。生徒がいたからね。
2020年現在もいろんなパターンの人を含めて常に20名前後の人に利用してもらってる。
いろんなパターンというのは、うちは精神疾患の人や不登校、引きこもり、歓迎なので、そういう人は定期的にずっと通えなかったりして、スポット参加してまたこなくなったりするんだよね。
明:道場は途中から、新極真会に加盟したんですか?
本:うん。ここでまたもやいったん、話を変わるんだけど、僕がかって内弟子をしていた道場の話になるんだ。
明:どうぞ。前にも言いましたが、本さんのおかげで空手道場のイメージが・・・・・・空手道場ってワンダーですね。
② 金と女と極真空手 へと続く