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「新極真会空手と統合失調症」NPO法人新極真会静岡湖西豊田道場  & 明読斎 対談 ・第三章 相棒は行方不明③中編

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③勝敗の壁 中編

 

本:彼らとトレーニングして体育協会に加盟した空手部を作ったので、各地の体育協会と友好的な流派の試合にいくつか出場したんだ。

 

そこでまぁ、これは空手あるあるであって、僕は他のスポーツをよく知らないけれども。試合に勝つにはまずは、その試合の主催者が開催する大会(試合)に何度か出場してそこの審判の判定の基準に馴れておくか、ある程度の有名選手として名前を売っておかないと、なかなかそう簡単には勝たせてもらえない

 

判定も流派、大会ごとに明らかにホームタウンデシジョン(ひいき)があったりするし、KOで勝つにしても、ものいいはいくらでもつけられる。KOで技を効かせて相手を倒したのに、後でそれが反則になって逆転判定に負けになるような試合も実際ある

 

ここがフルコンタクト空手が競技人口の割に、サッカーや野球のような本当のメジャースポーツになれない大きな理由の一つだと思うよ。試合の勝敗判定がわかりにくい、不可解だ、ってね。

 

地方レベルの小さな試合から、県や国レベルの大試合まで、どの大会でも誰もが全試合100%納得できるジャッジってことはまずないし、実際、自分の体を痛めて戦った選手は行き場のないフラストレーションを感じる人も多いしね。

 

明:で、本章の彼も空手の試合で勝てなくて、泣いてしまうほど落胆したんですか?

 

本:落胆どころかしばらく口もきかなくなったよね。また、一人で幻聴を聞いてるのが、はたで見ててもわかったよ。

 

明:本さんはでも、そうなるとわかってて試合に出場させたんですよね。

 

本:試合の現場がそういう場なのは知っていたけど、まさか負けて病状が一気にぶりかえすのは予想外だったね。

 

いずれその日はくるんで、仲良しの友達とのトレーニングだけでなく、外の世界とふれて欲しかったんだ。

 

ここで僕が感じたのは、精神疾患の人で勝ち負けにこだわるタイプの人は、負けさせない方がいい、あんまりヘコませるとあっちへ行って帰ってこなくなるってこと。

 

僕自身が、その場で死ぬとか、生涯絶対再起不能な状態になるとかでなければ、ほとんど勝負にこだわらないんで、正直、精神疾患になるほど勝負に固執するのは、すでに僕の理解の域を超えてるね。

 

明:挫折体験が精神疾患の引き金になる場合はあるようですね。空手の試合や小説の賞に応募した時は?

 

本:あれは、どちらも勝つ時は勝つし、負ける時は負けるよね。 負ければ、普通にあーあって思うけど、どうしても勝ちたい勝負なら勝てるまでリトライすればいいんじゃないの、と思うタイプでね。

 

勝っても、そん時、バンザイしてそんだけだけどさ。自分として面倒な時は、相手に失礼だと思うけど、わざと負けたりもするよ

 

この後、仕事あるんでケガしたくないし、今日は帰ります、もういいやって。自主的にばたんと倒れて、なんなら寝ちゃうね。

 

 空手は大山倍達総裁が「試合で強くなりたければ、1年毎月、日本のどこかで試合に出場していれば強くなる」みたいなことを言ってたんで、そうだな、と思ってやろうとしたことがあったよ。

 

あれは実際、毎月大会にでてれば、勝ち方がわかる部分はあるよね。名前も売れるし。極真空手に関して言えば、毎月、どこかで同じ派の試合に出場しているようなやる気のある者には、組織自体が優しくなってくれる部分はあると思うよ。

 

優しいというか、毎日、同じ店にランチにくるお客さん的な、顔なじみさんへの気持ちサービスというかね。

 

小説は、この本に推薦文を書いてくれてる(予定)アニメ会社の社長さんのところの小説募集の時も、ダメならダメだろと思って送ったら、連絡がきて縁ができた。そういうもんでしょ。

 

明:僕は精神疾患の経験者なんで、言わせてもらうと、はい、そういうもんです。とは言えない部分があって、それは僕たちにとっては小さなことが今年(2020年)のウィルス蔓延みたいに大きなことに思えることがあるからです。

 

くどいようですが、普通の人がウィルスが世界に蔓延したってそういうもんでしょと思わないのと同じです。

 

「これはやばい」という対象が違うだけです。もちろん僕たちも今年のウィルス蔓延はやばいとは思いますけどね。

 

それ以上に、普通の人にとっての小さなことに「これはやばい」と思うんです。

 

本:その世間の多くがたいして気にしない事柄で、心のバランスを崩してしまうのは、どうすれば治ると思います?

 

それでバランスを崩しても周囲に対してなんの問題もなく、本人の気分が悪いだけですめばいいけど、そこから、事件を起こしたり、引きこもりになるのを防ぐのは、明さん的にはどうすればいいと思う?

 

明:そのまま、バランスを崩しきればいいと思います。 そのうちまぁいいやって思うと思います。あまり、そこは問題ではありません。

 

「世間の多くがたいして気にしない事柄で、心のバランスを崩してしまうのは、どうすれば治ると思います?」という質問は、今年のウィルス騒動を見て、「これはヤバイ」と思うのはどうすれば治りますか?って質問と同じです。

 

今年のウィルス騒動を見て、「これはヤバイ」と思うのはどうすれば治ると思いますか?

 

本:僕は食品製造の現場にいたことがあって、パン技能士の国家資格を所得しているんで、一般の多くの人とは細菌類の衛生について知識量がちょっと違うかもしれないんだが、今回のウィルス騒動にかんしては、問題はまずマスコミのプロパガンダだと思ったよ。

 

単純に一般国民の不安や各都道府県の首長の迷走は、あそこまでマスコミが大々的に危機感をあおらなければ収まったと思う。

 

こと日本に生活する日本人にとっては、コロナウィルスは、インフルエンザほど危険なウィルスじゃないと思う。感染者の死亡者数や感染者数から見てもね。インフルの時でも、感染者と濃厚接触すればうつるし、人は死ぬよね。

 

なので、コロナで不安にさらされてる人には、僕個人は、日本全国でこれで死んでる人はインフルより全然、少ないですよ。落ち着いて事実を見ましょう。と、伝えるね。

 

明:事実を見ればみんなは落ち着きますかね?

 

本:僕が伝える情報がデータに基づいた正しいものでも、大マスコミがそう報道をしないと、「ケッ、インテリが、黙ってろ!」と言われて無視されるくらいが関の山だと思うよ。

 

明:まず最初に僕は、「治る」という言葉に反応してややこしい聞き方をしてしまいました。すみません。

 

心のバランスを崩すのは僕たちも普通の人も同じだと伝えたかったのです。普通の人も心のバランスを崩すと思います。

 

ですから僕たちも普通の人と同じように心のバランスを崩したときは事実を見れば落ち着くと思います。

 

僕たちから、精神疾患を患った人」や「精神病的気質を持つ人」という括りをはずした方ががどんな疑問にも答えは出やすいと思います。

 

それで二つ目の質問は「バランスを崩しても周囲に対してなんの問題もなく、本人の気分が悪いだけですめばいいけど、そこから、事件を起こしたり、引きこもりになるのを防ぐのは、明さん的にはどうすればいいと思う?」という質問ですが、僕的には気分転換をすればいいと思います。普通の人と同じです。

 

あと、僕は鈍感力があるみたいに言っていますが、鈍感力があるなんて格好つけて言っているだけで、ほんとは鈍感力はありません

 

鈍感力とは象徴みたいなものだと思います。

 

本:僕が、鈍感力と呼んでいるのは、 鈍感力=精神疾患精神疾患の起因となることがらから、自分を逃す力です。

 

多くの精神疾患の人を見ていると、周囲の言葉や身の回りの出来事に過敏になりすぎて、それがきっかけになって発病するケースが多いので、単純に周囲をあまり気にしない方が発病しにくいと思います。

 

僕自身は、周囲を本当に気にしない人間です。正直、もう少し気にしないと、周囲であれこれ言う人がかわいそうかな? と思うほどです。

 

明:前にも書きましたが、鈍感力とは象徴みたいなもので、僕の場合は、自分の望みを知ることで、他のことはまぁいいやと思えるようになった。

 

つまり、本さんの言う鈍感力を身に着けたのだと思います。僕が個人的に重要だと思うのは自分の望みを知ることです。

 

本:鈍感力の実用例として、おまえは体臭が臭いと人から言われたとして、それを気にしすぎて、一日何度も入浴したり、香水をつけたり、しまいには人前にでれなくなってしうとか、僕はそんな時に鈍感力を身につけて、その体臭が臭いと言われたことをそこまで気にするのをやめてしまえばいいと思う。

 

③勝敗の壁 後編 へと続く

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